Dock がディスプレイを移動する理由
この挙動は1つの設定に行き着きます。システム設定 →「デスクトップとDock」→「Mission Control」→「ディスプレイごとに個別の操作スペース」 です。
これがオフのとき — ほとんどの Mac の初期状態です — すべてのディスプレイが1組の操作スペースを共有し、それに伴って Dock も1つだけになります。使い回せる Dock が1つしかないため、macOS はカーソルの位置と最前面のウインドウがある画面をもとに、どの画面に Dock を置くかを判断します。意図としては「Dock がユーザーに付いてくる」ことです。しかし実際には判定が敏感で、ポインタを別の画面のほうへ動かしただけで、作業の途中でも Dock が一緒に引っ張られてしまいます。
「Dock をここに固定する」というチェックボックスは、システム設定のどこにもありません。この機能が埋めているのは、まさにその欠落です。
純正の解決策と、その代償
「ディスプレイごとに個別の操作スペース」をオンにすれば、各ディスプレイが独自の Dock を持つため、移動そのものは止まります。もう動かす必要がないからです。しかし、見た目以上に大きな変更でもあります。
- 操作スペースが分割されます。 各ディスプレイが独立した操作スペースを持ちます。1つの操作スペースが両方の画面にまたがる使い方に慣れていると、その感覚は通用しなくなります。
- フルスクリーンアプリの挙動が変わります。 アプリをフルスクリーンにすると、共有の操作スペースの一部としてではなく、そのディスプレイだけを占有します。
- ログアウトが必要です。 ログアウトするまで macOS はこの変更を適用しません。
これは実質的な取引です。アイコンの並んだバー1本を動かさないために、すべての画面の使い方を組み立て直すことになります。
「Dock を画面に固定」の場合
DockLockr は狭い道を選びます。Dock を置くディスプレイを指定すると、そこに固定されます。その間も「ディスプレイごとに個別の操作スペース」はオフのままで、操作スペースは今までどおり画面をまたぎます。ログアウトも、ウインドウ管理の作り直しも不要です。
この固定は操作スペースやステージマネージャの状態をまたいで維持され、スリープと復帰のあとも残ります。固定したディスプレイを取り外すと、macOS は存在する画面へ Dock を移しますが、再接続すれば DockLockr が元の場所へ戻します。
有効にする手順
- メニューバーの DockLockr の鍵アイコンをクリックします。
- Dock を画面に固定 を選び、使いたいディスプレイを指定します。
- 以上です。画面のあいだでカーソルを動かしても、Dock は置いた場所に留まります。
いつでもオフに戻せます。戻した瞬間から Dock は標準の macOS の挙動に復帰します。DockLockr を終了した場合も同じなので、元に戻せない状態になることはありません。
Apple の操作スペースの考え方と、なぜこうなったのかについてのより詳しい説明は、macOS の Dock がディスプレイ間を移動する理由 にまとめています。